TASK 共同制作

共同制作

高台寺蒔絵プロジェクト2006.11 | NOVEMBER |

秀吉の誇った栄華、高台寺蒔絵。その技法を巧みに再現したのは本校の技。

高台寺蒔絵プロジェクト

豊臣秀吉の没後、その菩提を弔うために秀吉夫人である北政所(ねね)が開創した高台寺。「蒔絵の寺」の通称を持つ同寺の霊屋の陣内には「高台寺蒔絵」と呼ばれる緻密で美しい蒔絵が施され、また当時の美術文化の粋と言える蒔絵調度品も数多く収蔵されています。本校では2006年、高台寺創建400年に合わせ、蒔絵専攻・下出祐太郎教授の指導のもと、9名の専攻生が高台寺蒔絵の技法再現に取り組みました。デザインから学生たちが行い、ススキや萩などの葉や茎、細かなすじまでを繊細に表現。制作期間約6ヵ月の末、横1.8m、縦0.9m、畳一枚分にもなる大作、黒漆に金の蒔絵が絢爛に映える見事な作品が誕生しました。自身、高台寺蒔絵の技術保存伝承会会長であり、研究家でもある下出教授も「生命感あふれる素晴らしいできばえ」と評するほど。貴重な歴史的技法の再現として、また学生にとってもかけがえのない財産として、この経験は次代の工芸へと確かに継承されていくことでしょう。

高台寺蒔絵「秋草」

天橋立・名松再生プロジェクト2006.5 | MAY |

仏像彫刻専攻生31名が、台風に倒れた松で仏像を制作し、 天橋立・智恩寺に奉納。

文殊菩薩像

天橋立・名松再生プロジェクト

日本三景のひとつ、天橋立には、数千本の松が茂り、日本の名松百選にも選ばれています。その松を台風が襲ったのは2004年のこと。樹齢300年の大木も含め、193本もの松が倒れました。その後、倒れた松を救いたいと願う地元の有志による再生プロジェクトがスタート。そして、その再生を託されたのが本校でした。仏像彫刻専攻・須藤光昭教授の指導のもと、被災者の鎮魂を願って、本校での仏像制作が始まりました。
ノミをふるったのは31名の専攻生。硬く、ヤニも出る松に苦労しながらも、高さ2.5mの堂々たる文殊菩薩像を完成させました。
2006年5月14日、天橋立近くの智恩寺に奉納。同寺の無相堂に安置。菩薩像の座すレンゲの葉の裏には「愛と平和」など、彫刻した学生一人ひとりの願いが筆で記されました。その後も、本校の再生プロジェクトへの協力は続き、2007年には地蔵菩薩像と十一面観音像の2体が完成しました。

清水寺の大黒天像を修復・奉納2008.5 | MAY |

清水寺が頼みにしたのは、本校の技。漆工芸専攻生30名が「出世大黒」を復元。

清水寺の大黒天像を修復・奉納。

京都市東山区。世界遺産、清水寺。名高い「清水の舞台」に据えられた大黒天像の修復を本校が依頼されたのは、2007年9月のこと。「出世大黒」として親しまれる大黒様は、開運や出世を願う多くの人々の賽銭を長年浴び続けたことにより漆の塗りがはがれ、木地が露出していました。修復にあたったのは本校の漆工芸専攻教授・講師陣と専攻生約30名。室町時代の作、少なくとも400歳以上という大黒様は、下地からの補修が必要なため、塗りはすべてやり直し。耐久性も考慮して技法が選択された修復プログラムには、実に30近い工程が記されていました。そして約8カ月後の2008年5月6日、修復を終えた大黒様の開眼法要が行われました。ほら貝の合図とともにお神輿に乗って参道を運ばれる大黒様。担ぎ手は、修復に携わった本校生たち。ゴールデンウィークで訪れた多くの参拝客が見守る中、轟門から本堂へ無事に奉納されました。法要後は清水寺の森清範貫主より、感謝状とともに「本堂に来られた方がまずお参りされる大黒様、良い縁をいただきました」とのお言葉もいただきました。その日の空のように晴れやかな表情の本校生が見つめる先に、つややかな笑顔を取り戻した大黒様の姿がありました。

清水寺の大黒天像を修復・奉納